虫歯の初期症状と痛みの特徴は?自宅でできる応急処置や悪化の防ぎ方を徹底解説

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歯に違和感があるけど、これって虫歯?

忙しくて歯医者に行く時間がないけど、このまま様子を見ても問題ない?

冷たい飲み物で歯がキーンとするけど、放っておいても大丈夫?

歯に違和感や痛みを感じたとき、虫歯かどうかの判断に迷って、歯医者へ行こうか悩む方は多いでしょう。

初期の虫歯は適切なケアで進行を防げる可能性がありますが、自己判断は危険です。少しでも違和感があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。 この記事では、以下について解説します。

・初期虫歯の特徴
・虫歯を放置するリスク
・歯医者に行くまでの間にできる痛みの応急処置
・虫歯を悪化させないための予防策

現状の歯の痛みや違和感の原因を知って、自宅でできる処置や対策をお伝えします。 歯医者へ行くまでに少しでも悪化を抑えることで、結果的にムダな治療費や時間を節約につながります。

ぜひ参考にしてください。

初期の虫歯とは?基本的な知識と特徴を解説

虫歯の仕組みを知ることが、歯の健康を守る第一歩です。

1. 虫歯はC0〜C4の5段階
2. 初期虫歯の6つのサイン
3. 初期虫歯で起こる痛みの種類

自分の歯の状態を知ることで、予防にもつなげられますよ。

1. 虫歯はC0〜C4の5段階

虫歯の進行度は、以下の5段階で分類されています。

・CO:初期の脱灰状態で、再石灰化で回復する状態
・C1:エナメル質が酸によって溶け始める初期の虫歯
・C2:象牙質まで達した中期の虫歯
・C3:虫歯が歯髄(神経)まで達した重度の虫歯
・C4:歯に大きな穴が空き機能を失った虫歯

虫歯の治療は早ければ早いほど、歯への負担はもちろん、治療にかかる時間や費用も少なく済みます。

ただし、初期の虫歯であるC0〜C1の段階では、痛みをほとんど感じないため虫歯に気づかない人が多いのが特徴です。

 

 

進行すればするほど治療も複雑になりますので、虫歯は早期発見・早期治療が何より大切です。

2. 初期虫歯6つのサイン

初期虫歯には以下のような特徴があります。

1. 白っぽい斑点がある
2. 茶色や黒っぽいシミがある
3. 歯の表面がザラついている
4. 以前よりも光沢がなくなっている
5. 歯と歯の間や溝に食べ物が詰まりやすくなる
6. フロスを使った時に引っかかりやすい部分がある

毎日の歯磨きの際にセルフチェックしてみましょう。

ただし、虫歯は自分で見つけられない場合も多く、知覚過敏などの他の症状の可能性もあるため、自分で判断せず、必ず歯医者で相談してくださいね。

3. 初期虫歯で起こる痛みの種類

初期の虫歯の場合、痛みがないケースも多いですが、状況によっては以下のように感じることがあります。

・一過性の痛み:冷たい飲み物や熱い食べ物などで一時的に感じる
・甘いものによる痛み:チョコレートやキャンディーなどの甘いものを食べた時に感じる
・噛むときの違和感:食事中に特定の歯に違和感や軽い痛みを感じる
・温度変化による痛み:気温や気圧の急激な変化によって痛みを感じる

初期段階では刺激がなくなると痛みもすぐに消える特徴があります。一瞬の痛みや違和感であれば、気にせず放置してしまう方も多いでしょう。

しかし、痛む時間が長くなるほど、虫歯は進行している可能性が高いです。

また、知覚過敏との区別が難しい場合もあるため、口の中に違和感があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。

初期の虫歯を放置する3つのリスク

まだ痛みが少ないから大丈夫だよね!

今は仕事が忙しいから、時間ができたときに歯医者に行こう!

このように自己判断して、治療を先のばしにしていませんか?

初期虫歯を放置すると、虫歯が進行し、治療も複雑になっていきます

1. 痛みが強くなり神経を取りのぞく治療が必要になる
2. 治療費や通院回数が増える
3. 周りの健康な歯や歯ぐきにまで虫歯が広がる

虫歯がひどくなる前に、早めの対処が肝心です!

初期虫歯であれば、簡単な治療で済むことが多いです!軽い痛みや違和感がある段階で、一度歯医者で診てもらいましょう!

1. 痛みが強くなり神経を取りのぞく治療が必要になる

虫歯菌が神経まで到達するC3以上の場合、夜も眠れなくなるほどの強い痛みが続き、食事はもちろん生活の質自体が下がってしまいます。

また、歯の神経を取りのぞく「根管治療」が必要になる場合があり、大がかりな上、治療後は「失活歯」となります。

失活歯には栄養が届かなくなり、再発変色感染の可能性もあるため、治療後も定期的にチェックが必要です。

痛みも少なく詰め物(インレー)で済む、初期のうちの治療がベストです。

2. 治療費と通院回数が増える

初期虫歯を放置することで、結果的に治療費や通院回数の負担が増加します。

初期〜中期の虫歯であれば、1〜2回の通院で済むことが多いですが、進行すると3〜5回以上の通院が必要になります。

また、治療費は初期であれば保険診療を利用すれば2,000円〜3,000円程度の比較的低コストで済みます。しかし、根管治療が必要な場合は、保険診療でも5,000円程度の治療費が必要となるでしょう。

さらに、根幹治療の場合、保険診療では再発リスクが懸念点となります。「品質優先」の自由診療であれば、精密な治療で歯の温存率も高くなります。

とは言え、自由診療での根幹治療は、一般的に10万円前後するため、即決が厳しいのも事実です。

治療費と通院回数の負担を減らすためにも、初期段階での診断が賢い選択と言えますね。

3. 周りの健康な歯や歯ぐきにまで悪影響が広がる

虫歯は一本の歯の問題だけでなく、以下のように口腔内全体に影響を及ぼす可能性があります。

・虫歯菌の増殖により口腔内の菌バランスが崩れ、歯ぐきの炎症や歯周病のリスクを高める
口臭の原因にもなり、社会生活や人間関係に影響する
・虫歯による痛みで片側でしか噛めなくなり、顎関節に負担がかかる
・抜歯になると周囲の歯が移動し、歯並びが悪くなる

一本の虫歯が原因で、お口の中全体の健康を損なってしまわないよう、早めの対処が大切です。

【応急処置】歯の痛みをおさえる3つの方法

痛みがあるけど、すぐに歯医者に行けない…

そんな時のために、歯医者に行くまでに試せる対処法をご紹介します。ただし、これらの応急処置は一時的な対策であり、根本的な解決には歯科医院での適切な治療が必要です。

家庭でできる応急処置は以下の3つです。

1. 市販薬を使う
2. 刺激物や酸性の強い食事を避ける
3. リラックスして休息を取る

応急処置で終わらせず、必ず歯医者を受診してくださいね!

1. 市販薬を使う

歯の痛み止めはドラッグストアで購入できます。歯痛用の市販薬は主に以下の2タイプです。

1. 塗り薬:オイゲノールなどの鎮痛成分が配合
2. 飲み薬:イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの消炎鎮痛剤が一般的

どちらも効果は数時間程度ですので、根本的な治療にはなりません。

また、市販薬を使用する前に必ず説明書を読んで使用してください。特に、アレルギーや妊娠・授乳中、持病がある方については、使用前にかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。

また、痛みがひどいからと言って、多めに飲んだり間隔を開けずに服用することもNGです。

用法・用量は必ず守って使用してくださいね!

2. 刺激物や酸性の強い食事を避ける

歯に痛みがある時は、刺激物や酸性の強い食品を控えると、症状の悪化を抑えられます。

特に酸性の強い食品は、歯のエナメル質を溶かす働きがあり、虫歯を促進させてしまうので注意しましょう。

歯に痛みがあるときは、以下の食品を控えましょう。

・極端に熱いものや冷たいもの:アイスクリーム、かき氷、熱いお茶、ラーメンなど
・糖分を多く含んだもの:チョコレート、グミ、キャンディーなど
・香辛料の効いたもの:わさび、からし、カレー、キムチなど
・硬いもの:ナッツ、おせんべい、フランスパン、ジャーキーなど
・柑橘系の果物:レモン、グレープフルーツ、オレンジなど
・炭酸飲料:コーラ、サイダーなど
・アルコール飲料:ワイン、酎ハイ、ビールなど

他にも、食後すぐに歯磨きをしたり、水分をこまめに取って口内の乾燥を防ぐことも、痛みの悪化を一時的に抑えられます。歯医者へ行くまでの応急処置として、症状に合わせて調整してみてください。

3. リラックスして休息を取る

ストレスや疲労によって痛みが発生している場合があります。不規則な睡眠や食事による免疫力の低下や、無意識による歯の食いしばりが原因となっている可能性があるためです。

歯に痛みを感じているときは、以下を参考に体を休めるようにしましょう。

・38度前後の温かいお風呂に入る:全身の筋肉がほぐれてリラックスできる
・軽いストレッチや運動をする:筋肉の緊張をほぐして血行を促進する
・規則正しい生活を送る:十分な睡眠や栄養バランスの整った食事で免疫力を高める

他にも、氷のうで患部を冷やしたり、マウスウォッシュで口腔内の細菌を減らしたりすることも、痛みや心を落ち着かせる効果があります。

歯が痛いとイライラしてしまうため、痛みを抑えながら体を休めてくださいね。

これ以上虫歯を悪化させないために行う3つの生活習慣

これ以上虫歯を悪化させないためにはどうすればいいの?

虫歯はなかなか自分では確認できないため、知らない間にじわじわと広がって重症化するケースもあります。

早期の発見ができたなら、これ以上ひどくならないように、自分の歯と向き合って以下を参考に生活習慣を整えましょう。

・正しく丁寧に歯磨きをする
・甘いものの頻度とタイミングを見直す
・定期検診で早期発見・早期治療を心がける

どれか一つだけでなく、すべてを組み合わせることで虫歯が予防できます。

虫歯リスクを減らし、健康な歯を保つためにも、できるところから取り入れてみてくださいね!

1. 正しく丁寧に歯磨きをする

1日3回、毎日の習慣にしているからこそ、ついつい適当な磨き方をしている人も多いのではないでしょうか。

無意識な歯磨きは癖が出やすく、奥歯や歯のすき間など、いつも磨けていない部分から虫歯になることが多いです。正しい歯磨きを行うポイントを10個まとめました。

1. 歯ブラシは毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てる
2. 1本ずつ丁寧に、小刻みに優しく磨く
3. 力を入れすぎず、ペンを持つように軽く握る
4. 奥歯のかみ合わせ部分も忘れずに磨く
5. 歯の裏側(特に前歯の裏)は歯ブラシを縦にして磨く
6. 磨く時間は最低2~3分を目安に
7. 歯磨き粉は少量(1cm以下)でOK
8. 歯ブラシは1ヶ月に1回を目安に交換する
9.仕上げにデンタルフロスや歯間ブラシで歯の間もきれいに
10. 寝る前の歯磨きは特に丁寧に行う

自分の歯磨き方法が正しくできているかどうか、一度見直してみてくださいね。

2. 甘いものの頻度とタイミングを見直す

甘いお菓子やスイーツは、1日1回を目処に、だらだらと食べるのはやめましょう。できれば、間食ではなく食後に摂取するのが望ましいです。

なぜなら、砂糖の摂取量よりも、摂取の頻度やタイミングが虫歯のリスクに大きく影響しているためです。

砂糖は虫歯であるミュータンス菌のエサとなり、酸を発生させ、歯のエナメル質を溶かします。歯が再石灰化する前に、おやつなどでまた砂糖を摂取することによって、酸が発生し虫歯になりやすくなるのです。

おやつの時間や就寝前にだらだらと食べるよりも、食後のデザートとして摂取する方が虫歯リスクは下がります。

また、甘い飲み物はストローを使って、歯に触れる時間を減らす工夫も効果的です。

チーズやナッツなど、虫歯になりにくいおやつを選ぶのも良いですね!

3. 定期検診で早期発見・早期治療を心がける

歯医者は痛みが発生してから行くのではなく、何も問題がなくてもメンテナンスとして定期的に検診へ行くことが大切です。

6か月ごとの定期検診が一般的ですが、虫歯リスクが高い人や過去に虫歯治療を多く行った場合は、3〜4か月ごとに行うこともあります。

検診の頻度は個人の口腔状態により異なるため、歯科医師と相談して決めましょう。

定期検診では、レントゲン検査で目視できない部分の虫歯も発見できるのが大きなメリットです。歯科医院ではブラッシング指導も受けられますので、自宅でのケアの相談もできますよ。

定期検診は歯科予防の観点からもとても重要です!

まずは、かかりつけの歯科医院を予約するところから始めてみてくださいね!

【まとめ】歯に痛みや違和感があればまずは歯医者で診てもらおう

お口の中に違和感や痛みが発生したら、できるだけ早い段階で歯科医院で診てもらうことが大切です。「初期の虫歯なら、まだ大丈夫!」ではなく、まだ症状が軽いうちに早期治療をしてキチンと終わらせましょう。

虫歯が重症化してからでは時間やお金の負担も増えるだけでなく、最悪の場合は抜歯や歯の神経を抜いて歯としての機能を失うことにもなりかねません。

そうならないためにも、今日からできることとして日々の生活を見直し、お口のケアを見直してみてください。定期検診へ行って虫歯予防することも重要です。

坂井歯科医院では、虫歯治療はもちろん、予防や定期検診にも力を入れて、お一人おひとりの口腔環境に合わせたアドバイスを行なっております。ぜひ一度、ご相談ください。

寝屋川市 香里園の歯医者|坂井歯科医院
寝屋川市香里園の歯科・歯医者の坂井歯科医院は夜21時まで(木・土は18時まで)診療。香里園駅から徒歩3分。お電話やWEBからご予約随時可能です。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、その他インプラントやホワイトニングにも対応。笑気麻酔や静脈内鎮静麻...

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