災害が多い日本では常に備えが必要
こんにちは、香里園にある坂井歯科医院の今道です。
暑い日が続きますが、先月までの活発な梅雨前線の影響で日本各地で記録的な大雨となり土砂災害や浸水などによる被害が相次いでいます。
日本は海外の国に比べて台風や大雨、大雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火など自然災害が発生しやすい国土であり、今までも様々な災害を経験してきました。
私の記憶の中に鮮明に残っている災害は阪神淡路大震災でまだ幼かったのですが今まで経験したことのない大きな揺れに恐怖を感じ、大人になった今でも少しの揺れの地震が来るだけでもあの時のことを思い出し心臓がバクバクします。
東日本大震災は記憶に新しい
2011年の東日本大震災の時は坂井歯科医院で勤務中だったのですが診療中に揺れを感じ、関東から東北の状況を見た時には言葉を失い、日本中の人々が悲嘆に暮れたのではないでしょうか。
当時、坂井歯科医院の患者さんのTさんが看護師さんで、現地にボランティアに行くという話を聞いて坂井歯科医院から歯ブラシを300本ほど寄付させていただきました。
被害にあわれた方に対して少しでも役に立ちたいという院長をはじめスタッフの思いを込めて歯ブラシの寄付をさせていただいたのですが、無事被災者の方々の手に届いたと報告がありました。(Tさん、ありがとうございます!)
災害に備え普段から口腔ケアの準備を
災害発生時にはお口の中のことを考える余裕がないかもしれませんが、お口の中を清潔に保つことができないとお口の中のバイ菌が増加し身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
実際に阪神淡路大震災の時、地震が直接の原因ではない関連死のうち最も多かったのは肺炎であり、その中にはお口の中のバイ菌と深く関わりのある誤嚥性肺炎も多かったのではないかと推測されているのです。
大規模災害が発生した時には被害にあった多くの人が避難所などで集団生活を強いられ、避難所生活が長くなると偏った食生活やストレスなどが原因で虫歯や歯周病、口内炎などお口の中の問題が生じやすくなります。
災害時は体調を崩しやすい
上記に加え、お口の中のケアが不十分になり口腔内の環境が悪化することで免疫力が低下し、肺炎やインフルエンザ、風邪、現在では新型コロナウイルス感染症などにかかりやすくなってしまうのです。
全身の健康を保つためにもお口の中のケアを行うことが重要視されているのですが、被災され避難所生活などを送っている場合には普段のようにお口の中のケアをすることが難しいと思いますので、状況に応じたお口のケアを紹介します。
災害時の口腔ケアの方法
歯ブラシがない場合には濡らしたタオルやウェットティッシュなどで歯の表面をこするのですが、歯と歯の間や歯と歯肉の境目、噛み合わせの部分など汚れが残りやすい部分に注意し、歯垢や食べカスを取り除きましょう。
水が不足している場合は歯磨き粉を使用してしまうとうがいする回数が増えてしまうため使用を控え、泡立ちしにくいジェルタイプなどを少量使用することをおすすめします。
液体ハミガキや洗口液などをお持ちの方は水の代わりに使用するとお口の中を清潔に保つのに役立ち、液体ハミガキは歯磨き粉の代わりとしてお口に含んですすいだ後にブラッシングすることで液体ハミガキの殺菌作用によりお口の中のバイ菌を減らす効果があります。
入れ歯を使用している場合はお口の中に入れたままにしているとバイ菌が増えて炎症を起こしてしまう可能性がありますので1日1回、特に就寝時は外すようにしょう。
入れ歯を外した時には入れ歯専用の歯ブラシ、または通常の歯ブラシを水で濡らして磨き、歯ブラシがない場合には水で濡らしたガーゼやウェットティッシュなどを使用し拭ってください。
唾液にはお口の中の汚れやバイ菌などを洗い流してくれる自浄作用がありますので、キシリトール入りのガムを噛んだり耳の下や頬、顎の下を手でマッサージしたりして唾液の分泌を促すと良いでしょう。
状況に応じての対処法を紹介しましたが、物資の供給や水の確保が安定したら通常通りのお口の中のケアを行い、口腔内を清潔に保つように心がけてください。
口腔ケアグッズを防災グッズに常備
災害が起こった時にはお口のケアは非常に重要でありますので防災グッズの中には歯ブラシやコップ、デンタルフロス、歯間ブラシ、液体ハミガキ、洗口液、キシリトールガム、入れ歯ケース、入れ歯の洗浄剤などを入れておくと良いでしょう。
日頃から歯科医院で定期検診やメインテナンスを受診し、お口の健康を保っておくことや正しいブラッシング方法を知っておくことも災害時に有効ですので、しばらく歯科医院へ受診していない方は早めに受診することをおすすめします。
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