歯科恐怖症の方に向けて

歯周病について
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こんにちは。

香里園にある坂井歯科医院です。

近畿地方もとうとう梅雨入りをし、ジメジメした蒸し暑い季節がやってきましたが、雨の日が続くと洗濯に困りますね。

ジメジメした梅雨が明けると私の大好きな夏がやってきますが、毎年暑すぎる夏が苦手だという方も多くいらっしゃり、人それぞれ感じることや考え方は異なるものです。

皆様は苦手なことはありますでしょうか?

誰しも苦手なことがあるかと思いますが、私にも苦手なものがあり、苦手というよりも恐怖として感じることがあります。

私がこの世で一番怖いものは注射で、注射することを考えるだけで体が震えてしまい、お恥ずかしい話ですが実際注射するとなると子どものように泣いてしまいます。

私が極度の注射嫌いになったのは、かれこれ数十年前の幼少期に遡りますが、4歳くらいの時に病気になり入院したことがきっかけで、お医者さんや看護師さんに押さえつけられながら毎日点滴や注射をされていた記憶が消えずに、いわゆる「トラウマ」になってしまっていることが原因だと思います。

注射はもちろん採血など針が体内に入る行為全てに恐怖を感じてしまい、意を決して病院に行っても、検査のための採血で泣いてしまい看護師さんに「こんな注射小学生でもできる!」と怒られたことで、ますます病院に行くことが怖くなりました。(優しい看護師さんもたくさんおられます。)

私のように医療行為に対してトラウマを抱えている方は少なくはなく、病院に行くことすらできずに悩んでいる方もおられますが、定期検診や健康診断は私たちが健康に長生きするためには必要不可欠であります。

もちろん身体の病気だけではなく、お口の中を健康に保つことは非常に大切なことであり、歯科医療従事者としては歯の定期検診や歯科治療も必ず行なってほしいものです。

歯医者に来てくださる患者様とお話をすると多くの方が「歯医者が苦手」「歯医者が嫌い」と言い、成人でも歯医者が好きという人にはなかなか出会ったことがありません。

私の注射と同じように以前に受けた歯科治療がトラウマ(精神的外傷)になってしまい、お口の中の歯や歯肉に不具合が生じていても、歯科医院に通院することができない「歯科恐怖症」になられている方もおられます。

一度、トラウマ(精神的外傷)になってしまうと不安が強くなり、歯医者さんに行くことを考えただけでも息が苦しくなるなどの症状があらわれ、歯科治療が必要であることを理解していながらも歯科医院への受診まで踏み切れない状態です。

歯科医院に通院できないことや歯科治療に対しての恐怖心から十分な治療を受けることができず、結果としてお口の中の健康が損なわれ、生活の質の低下の影響は大きな問題です。

歯科恐怖症の方が少しでも安心して歯科医院を受診していただけるよう当院ではいくつかの方法を取り入れており、私も同じような方法で恐怖心は拭えないものの採血などの定期的な検査を行うことができています。

・お話をしっかり聞かせてください。

患者様のお口の中のお悩みや困っていることなどについてお伺いし、症状を把握することから始め、どんな治療が怖いのか、どういうことをされると恐怖に感じるのかなどを詳しく聞かせてください。

歯科医院に来られてすぐにお口の中を触られるとさらに恐怖心を感じてしまう方は多く、お口の中を拝見する前に患者様のお話をしっかりとお聞きすることで、少しでも安心していただけるよう配慮させていただきます。

・笑気麻酔

笑気麻酔とは笑気吸入鎮静法(しょうききゅうにゅうちんせいほう)と呼ばれるもので、笑気を吸うことによって不安や恐怖心を軽減させ、気持ちを落ち着かせる方法です。

歯科治療で使用する笑気麻酔は30%以下の低濃度笑気と70〜80%の高濃度酸素を混ぜて使用することで不安を和らげ緊張をときほぐし、肉体的にも精神的にもリラックスさせる効果があります。

笑気麻酔を使用することで「ぼーっとする」「音が遠くのほうで聞こえる」「ほろ酔いの気分になった」などを言われる方が多く、治療中の不安や痛みを感じにくくなるため治療をスムーズに行うことができます。

笑気麻酔は濃度が低く、麻酔の効果も薄いため治療中も意識があり、歯科医師と会話することも可能な上、治療中の記憶も残りますし、笑気には毒性がないため、副作用の心配はほぼないと言われており、小さなお子様からご高齢の方にも使用することができます。

・静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)

笑気麻酔よりもさらに高い効果がある鎮静薬を点滴により腕の静脈に投与し、血管内に注入する方法を静脈内鎮静法といい、点滴して数分後には薬の効果があらわれ眠くなります。

静脈内鎮静法を行う場合は麻酔医が患者様の心拍や血圧などのデータを取り、全身管理を行いながら治療をすすめ、誤嚥の危険を防止するために適度な嚥下反射を残し、眠ったようなうつらうつらした状態になります。

使用する薬剤は身体に対して有害な作用はなく、意識があるため問いかけに反応することができ、身体の防御反応も保たれているので安全性が高い上、ほぼ眠っている状態なので治療に対する恐怖心や不安、痛み、振動、音などほとんど気になることはなく快適に歯科治療を受けることができます。

笑気麻酔と比べると確実で安定した鎮静状態が得られ、治療中の記憶がほとんど残らないため、治療がすぐに終わったかのような健忘効果を得ることもできます。

歯科恐怖症の患者様に少しでも安心して治療を受けていただけるような設備や環境を坂井歯科医院では整えていますので、一度来院していただき、お話からだけでもお聞かせください。

あなたにとって最良な治療方法をご提案させていただき、お口の中の健康を一緒に守っていきたいと思います。

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