厄介な花粉
こんにちは、香里園にある坂井歯科医院の今道です。
私は主人の好きなスポーツであるゴルフを約1年前に始め、今では週に1度の打ちっ放し練習と月に2回程度ラウンドする生活を主人と一緒に送っています。
夫婦で共通の趣味を持つことで週末一緒に過ごす時間が増えたり共通の話題ができたりなど良いことが多く、私自身もゴルフはとても楽しくもっと上達したいと思い主人に指導してもらっています。特にラウンドすることが一番の楽しみで最近は暖かくなってきたのでとても気持ちよくラウンドすることができていますが、主人はラウンドすることが辛いと思うことがあるようです。
その理由は花粉!!
主人は花粉症なのですがゴルフ場は山々に囲まれていることが多く、ラウンドに行くと目が痒くなったり鼻がムズムズしたりくしゃみが止まらなくなったりと花粉症の症状がたくさん出ていて辛そうです。私は幸いなことに花粉症ではなくどの時期でも快適にラウンドすることができているのですがアレルギーがほとんどない人でも急に花粉症になることがあると聞き恐れています。
花粉アレルギーは何と60種!
花粉症と聞くとスギやヒノキのイメージが強いのですが、一般的に多いのがスギ花粉を原因とするスギ花粉症でヒノキ花粉もスギ花粉と抗原の共通性を持っているためスギ花粉症の原因となるそうです。
その他にもこれまで約60種類の花粉アレルギーが報告されていて、今回は花粉症の代表的な原因物質と飛散の時期についてお話していきますので花粉症かもと思っている人は花粉症の症状が見られる時期と花粉の飛散時期が重なっていないか確認してみてください。
花粉の飛散する時期や植物の種類は地域によって多少異なるのですが今回は私たちが住む関西に焦点を当ててお話していきたいと思います。
スギ
花粉症の代表とも言われるのがスギで北海道南部から九州にかけて広い地域に植林されていて植林面積は約450万haにもなるそうで、スギ花粉の患者さんが多いことも納得できます。
虫や鳥に花粉を運んでもらう植物とは違いスギは花粉の運搬を風に頼っているので花粉を大量に作るのです。花粉を大量に作り風によって飛散するので森林のない都心にまで大量の花粉が運ばれてきます。
スギ花粉は飛散が始まって7日から10日後くらいに花粉の量が多くなり、その後4週間程度花粉が多い時期にあたり晴れて気温が高い日や空気が乾燥して風が強い日、雨上がりの翌日や気温の高い日が2、3日続いた後は特に花粉の量が多くなります。
スギ花粉が多くなる時間帯は気温が上がって午前中に飛散した花粉が数時間後に都心に到達する昼前後と上空に上がった花粉が地上に落下してくる日没後が一般的と言われています。
スギ花粉の飛散のピークは2月下旬から3月末までが非常に多く2月頭から4月中旬もやや多い傾向にあり夏場を過ぎて10月から翌年1月にもわずかに観測されることがあります。
ヒノキ
ヒノキもスギと同様、国内に多く植林されている樹種であり、飛散の時期もスギとほぼ一緒か少し遅れて飛び始め、スギ花粉と同じアレルギー誘引物質を持っているのでスギ花粉症の人はヒノキ花粉が加わることで症状が強くなることがあります。
ヒノキ花粉の飛散時期は3月中旬から4月下旬が多く、その中でも4月上旬・中旬が非常に多く飛散のピークであり今後はさらに樹齢の高い樹木が増えることで花粉の量も増えることが予測されています。
ハンノキ(カバノキ科)
ハンノキはあまり知られていないようですが、ハンノキは日本全国に分布していて公園などでもよく見られる樹木であり、スギ花粉症の人の約20%がハンノキ花粉にも反応すると言われていてスギ花粉症と併発することがあります。
飛散時期は1月上旬から4月中旬、5月中旬・下旬、6月中旬でその中でも3月中旬がやや多く飛散し、スギ花粉と飛散時期がほぼ重なっているためハンノキ花粉症に気づかない人も多いようです。
イネ科植物(ススキ・カモガヤ・ホソムギ・ハルガヤなど)
イネ科植物には様々な種類がありイネと聞くとお米が獲れる稲を思い出す人も多いかもしれませんがお米が獲れる稲の花粉というわけではなく、多くのイネ科花粉症の原因はカモガヤやホソムギなど海外から輸入された牧草なのです。
イネ科花粉症の原因となるカモガヤやホソムギ、オニウシノケグサ、ハルガヤ、オオアワガエリなどは寒さに強く繁殖力があり歩道の端や空き地、草地、河川敷などに広く生息しています。
イネ科植物の花粉の飛散範囲は数十メートルと狭く近づかなければあまり影響はないと言われていますが直接触れてしますと花粉症の症状が強く出てしまったり肌荒れを起こしてしまったりすることもありますので注意が必要です。
飛散時期は1月上旬・中旬、2月中旬から11月中旬でその中でも4月下旬から5月いっぱい、8月中旬から9月上旬、10月上旬が飛散ピーク時期でイネ科植物の花粉は午前中に大半が飛散し、特に気温が高くよく晴れた日は飛散量が多くなります。
キク科植物(ブタクサ・ヨモギ)
夏から秋にかけて起こる花粉症の主な原因はブタクサやヨモギのキク科植物の花粉による可能性が高く、日本で初めて見つかった花粉症はブタクサ花粉症なのです。
ブタクサやヨモギは草本花粉と呼ばれていて花粉飛散の範囲はイネ科と同様数十メートルと狭く、スギやヒノキなどの樹木花粉のように遠くまで飛散することはありません。
特にヨモギは日本全国いたるところに生息していて繁殖力が強く、生育面積が広いのでブタクサよりも花粉の飛散量が多いと言われていて、身近な雑草で接触する機会が多いと思います。
ブタクサの飛散時期は8月下旬から10月中旬でその中でも9月中旬・下旬がやや多く、ヨモギの飛散時期は8月下旬から11月中旬でそのうち9月中旬から10月上旬が飛散のピークであります。
黄砂にもご注意
2021年の花粉飛散量は過去10年の花粉飛散量の平均と比べてみると少ないものの2020年春よりは多いという発表がされていて、アレルギー性鼻炎の悪化原因となる黄砂も3月〜5月に多く飛散しますので気を抜かずしっかりと予防していきましょう。
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