こんにちは、香里園にある坂井歯科医院の今道です。
私が赤ちゃんだった頃、母乳を飲むことをなかなかやめることができず苦労したという話を母から聞きました。昔は母乳やミルクを1歳までにやめなければならないと言われていた時代があり、私の母も母乳をやめさせるためおっぱいにからしを塗ったことがあると言っていました(今の時代では考えられないですよね^^;)。
最近では赤ちゃんのタイミングで終了するという考えが尊重されていて世界保健機構では母乳を2歳頃まで続けることを推奨しているなど、時代の変化によって子育てを取り巻く環境や情報も進歩しているので昔と今の子育てにも変化が見られます。
指しゃぶり
昔も今も変わらないのは子育てをしていると様々な不安がつきものであるということ。その中のひとつが「指しゃぶり」で赤ちゃんが指しゃぶりをしながらスヤスヤ眠る姿は愛らしく可愛いと感じますが、年齢が大きくなっても指しゃぶりをしていると「何歳まで指しゃぶりをして大丈夫なのかな?」と不安になるご両親も多いことだと思います。
妊娠したお母さんのおなかを超音波検査で見てみると赤ちゃんが指しゃぶりをしている様子が確認されることがあるそうで、赤ちゃんは生まれる前から指しゃぶりをしているということに驚きました。
吸うという行為は生きていくために必要
生まれてきた赤ちゃんは必要な栄養を母乳やミルクからもらうため「吸う」ということはとても大切であり、お母さんのおなかの中にいるときからそのことが自然と分かっていて、赤ちゃんにとって生きていくための必要な行為です。
赤ちゃんは生まれてからだいたい2〜3ヶ月頃から指しゃぶりをはじめ、指しゃぶりをすることで口の中で指の感触や指が濡れていることを学んだり遊んだりしているのです。
また、指しゃぶりはお母さんのおっぱいを吸っているのと同様の行為で、眠たいときや不安を感じているときに指しゃぶりをして安心を得ようともしています。
指しゃぶりは自然に減るが、長く続く子も
赤ちゃんは成長するにつれて様々なことに興味を持ち、いろいろな遊びを楽しむようになりますし、幼稚園や保育園に行くようになるとお友だちと遊ぶ機会も増えますので自然と指しゃぶりは減っていきますが、長くまで指しゃぶりが続く子もいます。
長くまで指しゃぶりが続いてしまうと歯並びが悪くなったり、噛み合わせが悪くなることで食べものが噛みにくくなったり、発音しにくくなったりすることがあるなどお口の中に悪い影響を与えてしまうことがありますので注意が必要です。
3才がひとつの目安
指しゃぶりを卒業するタイミングとしては3歳まで様子をみてあげることがひとつの目安になります。3歳頃までに指しゃぶりをやめることができていれば歯並びに悪い影響を及ぼすことが少ないと言われています。
3歳になった時点で指しゃぶりを続けていて、歯並びやお口の中の状態が気になるようであれば4歳までにやめさせる方向にもっていくことができれば良いでしょう。
では、どのようにして指しゃぶりをやめさせると良いのか、子どもの指しゃぶりのやめさせるための方法をいくつかご紹介していきます。
指しゃぶりのやめさせ方
- 指しゃぶりをしていけない理由を伝える
意思疎通ができて周囲の話を理解することができるようになった年齢のお子さんであれば「手のバイ菌がお口の中に入ってしまって病気になってしまうよ」「歯並びが悪くなってしまうよ」など、なぜ指しゃぶりがどうして良くないのかを伝えてみましょう。
お話がきちんと理解できようになったときに「指しゃぶりをやめていこうね」ということをゆっくりと優しく教えてあげましょう。
- スキンシップをする
心や気持ちを落ち着かせるために指しゃぶりをするお子さんもいますので、お子さんが指しゃぶりをし始めたら抱きしめたり手を握ったり、スキンシップをとってみましょう。
また、眠たい時に指しゃぶりをするお子さんもいるのですが、そんなお子さんには眠る前に手をつないであげてください。そうすることでお子さんが指しゃぶりすることなく安心して眠ることができるかもしれません。
- 別の遊びを見つける
お気に入りの遊びやおもちゃを与えてあげたり、外で体をたくさん動かしてあげたりして気分転換をさせてあげて、指しゃぶりよりも別の遊びに集中できる環境を作ってあげましょう。
外でたくさん遊ぶことで寝つきがよくなり寝る前に指しゃぶりをするのも防ぐことができます。
- 楽しんで指しゃぶりをやめられるように工夫する
指しゃぶりをしなかった日は好きなシールをカレンダーに貼れるようにするなどお子さんが楽しく指しゃぶりを卒業できるようにしてあげると良いでしょう。
保護者が神経質になりすぎないように
子どもが指しゃぶりをやめられない原因は様々あるのですが、お母さんやお父さんがあまりにも神経質になりすぎるとお子さんにとって逆効果になることがあります。
無理やりやめさせようと怒ったりすると叱ったりすると子どもは心理的にストレスを感じてしまい、お母さんやお父さんからきつく怒られてしまう不安から、さらに指しゃぶりをしてしまうお子さんも少なくはありません。
お母さんやお父さんがやめさせないと!!
と主体になるのではなくお子さんの考えを受け止めながらその子に合った時期にその子に合った方法で指しゃぶりをやめられるよう見守っていきましょう。なによりもお子さんが自分からやめられたということが大切であることを忘れないでください。
コメント