こんにちは。坂井歯科の坂井でございます。
冬が近づき、風のある日は寒気が身にしむようなりましたが体調崩されてないでしょうか。今回は患者様からも要望が多い、審美歯科で用いられるセラミックについてお話させていただきます。
セラミック治療とは詰め物や被せ物の素材が、セラミック陶器を使用して審美的に歯科治療を行うことです。分かりやすく申しますと、よくある銀歯ではなく、白いセラミックで歯を作るということ。セラミックを用いることで本物の歯と見分けがつかないほど精巧に仕上げることができます。
セラミックは瀬戸物やお皿と同じように陶材で出来ているので表面がとても滑らかです。
皆様がお家で使われているお皿をイメージしていただければ分かりやすいですが、お食事後に洗剤で洗うと綺麗に汚れが落ちるのと同様に、セラミックもブラシでやさしく磨くと汚れが綺麗に落ちます。セラミックはお手洗いや洗面台などに使用されており、汚れやばい菌がつきにくいのもセラミックの大きな特徴です。そして、それがセラミックが健康に良いと言われる大きな理由です。
当院でもセラミックを用いて治療を希望される患者様が10年前より5年前、5年前より現在というように年々増えています。明らかにセラミックの方が金属よりも患者様に好まれています。
ではなぜセラミックを希望される患者様が増えてきているのでしょうか。
近年、銀歯では印象が好ましくないなど審美性を気にされる患者様が多くなっていて歯を白く治したいというニーズが高まりセラミックを選ばれる患者様が増えているからですが、より自然で安全な治療を受けたいという方が以前よりも確実に多くなってきています。
また、前歯に金属を用いた古い差し歯が入っている場合、差し歯と歯肉の間が黒く変色してくることがあります。これは金属がイオン化して溶け出していたり、差し歯と歯に隙間ができて金属の黒いラインが見えていまっているため起こりますが、セラミックのみを用いた場合は差し歯と歯肉の間が黒くなることはありません。
他には歯に何らかのコンプレックスを抱えている患者様がセラミック治療を選択することも増えています。芸能人や野球選手の方が綺麗に歯を並べたり、韓流スターが歯を白くしたりする影響が大きいかと感じます。
実際に歯並びにコンプレックスを抱えている患者様が来院し、セラミックを用いて歯並びを綺麗にすることによってとても満足していただいたケースも多々あります。
患者様から喜ばれる事はとても嬉しい事で、スタッフ全員の励みになります。
ではセラミックは本当に良いものなのでしょうか。
もちろんセラミックにも欠点があります。
セラミックはとても硬い材質でたわまないので、衝撃により割れたり欠けたりすることがあります。割れたり大きく欠けてしまった場合には作り直すことが必要になりますので歯ぎしりをする方や激しいスポーツを日常的にされる方は要注意です。歯を何かしらの方法で保護する必要も場合によっては出てきます。
他の欠点は他の補綴物に比べてセラミックは歯を削る量が多いということ。セラミックはある一定の厚みがないと十分な強度が得られません。金属などの補綴物は比較的薄く作成が可能ですが、セラミックは割れにくいよう厚みが必要なので歯を削る量が治療の内容によっては金属などの補綴物より多くなるということです。
こういったようにセラミックは良い点だけではありません。
ではどのようにセラミックを選択すれば良いのでしょうか。見た目を良くするためだけにセラミックを選択して良いのでしょうか。値段や安さで決めて良いのでしょうか。
答えは「No」です。きちんとした検査、審査、診断が必要です。
一人一人の患者様の状態は異なるので、患者様に合った治療を選択していただくことが必要です。歯を削って歯並びを整えるのが良いのか、それとも矯正をした方が良いのか。歯を白くするのにセラミックを用いるのか、ホワイトニングで改善できるのか等、歯科医院としっかり相談し、納得した治療を受けていただきたく思います。
私たち歯科医院から患者様にお願いしたいことは、事前にどのような歯並びや口元にしたいのか、イメージして頂くこと。そして、解らないことはどんなことでも遠慮なく聞いて頂くこと。そうする事で、患者様の満足のいく治療を行う事が出来るはずですので相談しながら一緒に考えていきましょう。
コメント